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G6-PD欠損症の診断と治療(G6-PD deficiency, diagnosis and treatment)


診断Heinz小体の確認が最も単純で確実な方法である。自然の状態、或いは酸化剤(phenylhydrazine)の存在下で酵素欠損のある赤血球中にヘモグロビンの酸化物が蓄積し、封入体が認められる。Heinz小体は染色して見ることが出来るが、G6-PDに特異的なものでなく、他の赤血球酵素異常、中毒による貧血、不安定ヘモグロビンの際にも観察される。還元グルタチオンの減少やacetylphenylhydrazine存在下で、還元グルタチオンが不安定化することは、実際上検査として行いにくい。
溶血症状のない人でG6-PD欠損を知るための半定量的な方法がいろいろとある。その殆どはNADPがNADPHに還元され、G6-PDが活性化される際に標識色素が変色するという現象を用いている。Motulsky試験はcresyl brillantの脱色に要する時間で判定する検査である。Beuther試験は濾紙上に血液、NADP、G6-Pを滴下し、その上に存在するNADPHを、その吸光度を用いて測定する。Fairbank-Beuther試験は同じ原理をtetrazolium塩で応用したものである。Oski-Growney試験はメチレン青溶液で培養後、正常赤血球の10%は着色するが、G6-PD欠損症の場合はそうならない、という事実に基づいている。
酵素活性の定量的測定は、分光光度計や比色計を用いて行われる。患者では溶血発作のない時でも、酵素活性は常に減少している。黒人(Gd(-)A型)では正常値の20%位、白人(Gd(-)B型、地中海型)や黄色人種(Gd(-)広東型)ではしばしば10%以下である。しかしながら急性溶血の際中やその後では、酵素活性が正常と見える場合がある。輸血が施行された時は、供血者の血液酵素活性が測定されてしまい、輸血されなかった場合でも網状赤血球の強い増加がG6-PD欠損を隠蔽してしまう。その理由は、若い赤血球は陳旧化した赤血球よりも常にG6-PDを豊富に有しているからである。G6-PD欠損を示さない急性溶血の際には、酵素活性は上昇している。実際にG6-PDの定量は、急性溶血発作のない時に調べられ、確かめられる。ヘテロの女性の場合、酵素活性は正常か少し減少している。非常に稀なホモの女性では、酵素活性は殆どない。
G6-PD欠損の亜型は、より詳細な電気泳動などの検索で確認される。

治療;治療は対症的である。急性増悪の場合は輸血し、新生児で溶血が高度の場合は交換輸血が不可避となることがある。急性溶血を起こす薬剤の投与は、特に避けねばならない。

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