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異常ヘモグロビン症の総論(hemoglobinopathy, generality)
異常ヘモグロビン症はヘモグロビンの量的質的異常による遺伝的疾患である。一定の人種が選択的に冒され、地中海以南に多い。
ヘモグロビンは3つに分類される。成人型ヘモグロビンのHbA(旧名HbA1)は、成人型ヘモグロビンの殆どを占める。ヘモグロビンA2 (HbA2)は成人型ヘモグロビンの1-2%を占めるに過ぎない。胎児型ヘモグロビン(HbF)は普通、生後6ヶ月以降に消失する。
これからのヘモグロビンはそのグロビン結合部分の構造のみが異なっている。グロブリンには4種類のポリペプチド鎖があり、同じ種類のもの2本が2組合わさっている。HbAのグロビンα2β2は、α鎖2本とβ鎖2本からなる。HbA2のグロビンα2デルタ2は、α鎖2本とデルタ鎖2本からなる。HbFのグロビンα2γ2は、α鎖2本とγ鎖2本からなる。
ヘモグロビン合成の遺伝的制御には2段階ある。構造遺伝子はグロビン鎖の種類(α、β、γ、δ)を決定し、調節遺伝子はこれらの異なる鎖を量的に制御する。
ヘモグロビン症は2つの型に分けられる。グロビンの質的異常、つまり構造遺伝子の変異は、異常ヘモグロビンの産生を起こし、量的な異常によるヘモグロビン症(サラセミア)はβ、α、さらにはδやγ鎖の欠損を起こしたものである。
ヘモグロビン症の殆どは、常染色体相互優性(生化学的には優性だが、臨床的には劣性)に遺伝する。
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