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糖尿病の治療(treatment of the diabetes mellitus)


治療(treatment)
糖尿病治療の原則は世界的に同一である。都市部に居住する、教育度の高い、充分な資力のある者には容易に適応出来るが、農村部または発展途上国の都市近郊の居住者では難しい。

食餌療法(diet therapy)
理論上は最も簡便なもので、急速に吸収される糖分(砂糖、飴、コーラ飲料、果汁)の摂取を抑える方法である。農村地帯では容易だが、都市部や都市近郊ではずっと困難である。
症例ごとにその地域の食餌事情を考慮し、長鎖の飽和脂肪酸の摂取を抑え、不飽和脂肪酸を増やして、結果的に総カロリーを下げる。いずれの場合も季節的な食餌内容を考え、宗教上口にしない食品(インドでは菜食主義者は肉食を禁じられ、回教国家ではラマダンの断食を守らせる)にも配慮する。摂食は3度の食事と2度の間食に分けるが、年余にわたり不変の生活リズムを変えようとすることは無意味である。食事を大皿に盛って皆で食べる国々では、食品を計量することは不可能なことが多い。プラスチックの碗で食餌を計量する方法は成功をみている。

インスリン療法(insulin therapy)
条件のよい都市部を除いては、インスリン療法は病院外では実行不能である。不規則な教育、専門家の不足、管理不能、患者の収入から並外れた費用、中央医薬品管理部門からの不規則な薬剤供給、不完全な低温搬路、AIDS(後天性免疫不全症候群)の流行で急速に問題となている注射筒の管理など、全ての条件が揃っていない。
それ故、特に《中間型》糖尿病の症例では、一般医の多くは長期にわたるインスリン療法から、経口血糖降下剤に代替するようになっている。

経口血糖降下剤(oral hypoglycemiants) 止むを得ない最後の手段として行なわれる。インスリン療法より経費がかかり、時に深刻な事態(sulfamide系の投薬内容の過渡期に、重篤な低血糖を起す)を引き起こす。しかも熱帯諸国では、公衆衛生学的観点から経口血糖降下剤の有効性は全く示されていない。インスリン依存性、ケトン性の糖尿病に本剤は用いられないのである。
唯一の利点としては、《熱帯性》糖尿病の一部にsulfamide-biguanide を併用する場合に、insulineを用いるよりも良好な尿糖の減少が得られることである。この考え方を正しく利用すれば有益となる。

伝統医薬(traditional pharmacotherapy) 薬草の中には痩せ薬や時には血糖低下させるものがあり、医療に恵まれない地域では唯一の治療薬になっている。以来、沢山の植物に血糖降下作用が知られている。しかし痩実(例えばタンポポやキンポウゲの実)の効果は一般に予測が困難であるため、しばしば生薬の注射剤や煎剤として処方される程度である。このような生薬は、合成薬が出回る以前の薬で、臨床試験が行なわれていないため、今日これらの薬草を用いるのは適切でない。

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