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ビタミンD欠乏症(vitamin D deficiency, avitaminose D, ICD 265.)


(同義語:くる病、rachitisme) 疫学(epidemiology)
vitamin Dはリン酸カルシウムの代謝に不可欠で、しばしば太陽光線から皮膚が自然に産生している。自然界からのvitamin Dは殆ど全てが動物性(バター、卵、魚の肝油)食品から摂取されるが、食餌からの摂取量は僅かである。
熱帯地方では太陽光線が強いため、くる病は稀である。アフリカの熱帯地域では、沢山着込んだ乳児、精神障害者、薄暗い部屋に閉じこめられている受刑者といった、特殊な環境にいる者が罹患する。南米では地域によりその頻度は異なり、アジアでも同様(インド北部に多い)である。地中海東部ではパレスチナ、エジプト、レバノン、シリアの都市部に多いことが知られている。熱帯や亜熱帯の地域(黒アフリカ、アフリカ北部)から温帯または寒帯(欧州)へ移住した子供たちに本症が見られる。

症候(symptomatology)
臨床像はよく知られており、大泉門部の頭蓋癆、《肋間部の数珠状》病変、骨端線の開大、緊張低下が認められる。ビタミンの補給がなければ、著しい骨の変形が脚(湾曲)、脊柱(側湾)、胸部(鳩胸)、頭部(角張った頭蓋と歯の変形)、骨盤(佝僂病性骨盤、時に難産の原因)に生じる。
vitamin Dの定量法は知られていない。血清中のアルカリフォスファターゼの上昇が一定の手がかりとなる。

治療(treatment)
根治的治療にはvitamin D製剤を与える。1日当たりvitamin D2 で8,00IU、またはergocalciferol(Sterogylを 20滴)を1ヵ月間投与し、その後6ヵ月以上あけて、単回で60万IU(Sterogyl 15 を1アンプル分)再投与する。
予防目的ならば、子供によく日光浴させることを母親に勧奨する。 Sterogylを2-3滴ずつ連日投与するのは実施困難である。定期的に高容量のvitamin D(6ヵ月毎にSterogyl 15を1アンプル)を投与する方が良いが、小児では用量過多となる危険性がある。

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