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ビタミンC欠乏症(vitamin C deficiency, avitaminose C, ICD 264.)


(同義語:壊血病、scurvy, scorbut) 疫学(epidemiology)
vitamin C(アスコルビン酸)は細胞合成と結合、造骨細胞と象牙芽細胞の活性にに不可欠である。1日の必要量は成人で10-30mg、乳児で1-2mg/kg程度である。vitamin Cは新鮮な果物と野菜に豊富に含まれる。乳には乳児に十分な量が含有している。vitamin Cは加熱すると急速に破壊される。壊血病は稀にしか起こらないが、人工乳保育や加熱した食品ばかり食べている、生後6-12ヵ月の乳児によく見られる。成人に認められるのは例外的で、果物を全く与えられていない食餌を摂っている者(囚人、流刑者、難民)に起こる。

症候(symptomatology)

乳児例:骨症状がまず認められる。体動時の下肢の痛みが増強し、ついには偽性麻痺に至る。骨の腫大部(壊血病性数珠状病変)、特に大腿部か胸軟骨部に、微かな拍動を感じることがある。X線では骨膜下血腫が明らかとなる。これは骨幹部の全体または一部を、紡錘型に取り巻くような、濃いめの縁辺が多少明瞭な膨大像に写る。不均一な透亮部に隣接した、骨幹部から離れた軟骨下に、極めて濃い線が1本見られると表現され、これは壊血病線と称される。
出血症状は歯の生え際の歯肉に最も顕著である。腫大と斑状出血があり、僅かな接触で出血する。時おり皮膚への紫斑や内臓出血が認められる。全身状態の悪化や低色素性または大球性貧血も頻繁に起こる。

成人例:骨所見はびまん性の脱塩に因る。皮膚所見には角質増殖と紫斑から見られ、これが血腫になる。歯肉・歯の変化は前述の局所所見が凡庸なだけに目を引く。歯肉は腫大し、出血して、壊死する。歯は脱落する。

診断:血清中または白血球中のvitamin Cの定量は難しい。負荷試験の方がより簡便である。vitamine Cを15mg/kg 投与した後、健常人では尿中にその一部が排泄されるのに対し、欠乏症患者では全く排泄されない。

治療 治療目的にはvitamin Cを1日0.1-1g、経口または実質内に投与する。予防目的なら、新鮮な果物か野菜を摂取すれば、容易に成人の必要量を補える。母乳保育の乳児にもビタミン補充が行なわれる。もし乳児が人工乳で保育されているならば、(毎日果汁を与えるすること等が)不可欠である。

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