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葉酸欠乏症とビタミンB12欠乏症(folic acid deficiency / avitaminosis B12)



葉酸欠乏症(folic acid deficiency, avitaminose B9 ICD 281.2.)
葉酸はビタミンBの一種(B9)であり、天然の食品の殆ど、特に緑色野菜、果物、乳製品や肉に含まれている。食物中の葉酸は、その約70%が吸収される。葉酸は高温に弱く、調理時間が長いと50%以上が失われる。葉酸は胆汁や尿中に排泄される。妊婦や小児には大変重要である。  熱帯で見られる再生不良性の大球性貧血は、その大多数が葉酸欠乏に因るものであるが、このビタミンを投与すれば治療可能である。Jadisは<Lucy Wills編;熱帯の貧血>をまとめ、その中で幾つかの機序を挙げている。摂取不足は西アフリカやインドで多いが、他ではより稀である。吸収不全は様々な胃腸疾患、特に熱帯性スプルーや吸収不良症候群に伴って起きる。マラリアの化学療法に使われるpyrimethamine (Daraprim*, Malocide*)のような抗葉酸性抗ロイコボリン性薬剤を大量に使用すると、この貧血の原因となることがある。欠乏の機序はしばしば明らかにならない。小児や妊婦での大球性貧血は、必要量の増大による相対的欠乏か、葉酸からロイコボリンへの代謝抑制 の結果であろう。 症候  患者の殆どは小児、若年者、妊娠末期の女性である。極度の蒼白、舌炎、下痢を伴うが、骨髄硬化は滅多に見られない。妊娠中の葉酸欠乏は、神経管の奇型(二分脊椎)やある種の顔面奇型(口蓋裂や口唇裂)を起こし易くする。胃液分泌欠乏症は通常見られない。 血液学的所見は、悪性貧血のそれにほぼ一致している。即ち重篤な再生不良性大球性貧血があり、骨髄には巨赤芽球が見られることが特徴的である。鉄欠乏を合併している場合、正色素性または低色素性を示したり、(大球性と小球性の)2つの型の赤血球が混在する状態となる。 血清中の葉酸値を測定することは、熱帯では日常的には行われない。 治療と予防 治療は葉酸投与で、年齢によって1日20-50mgの葉酸 (Foldine*) を経口投与する。或いはロイコボリン(Lederfoline*, Osfolate*)を筋注が経口で投与することもたまにある。投与7日目に網状赤血球が著増していることを確認することは、治療の有効性と必要性を明らかにする上で役に立つ。この治療は血液所見が正常化するまで続ける。ビタミンB12の肝臓抽出物を同時に与えることに有効性はない。 予防的処置として、妊婦に1日0.5-1gの葉酸、或いは葉酸と鉄を投与することである。
ビタミンB12欠乏症(ICD 281.1)
広節裂頭条虫による悪性貧血は、日本のような広節裂頭条虫が多い国でも稀である。 しかしながらビタミンC欠乏は葉酸の利用と鉄の吸収に問題を起こすことによって貧血を来すことがある。
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