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治療(traitement)

蛇毒の拡散を防ごうとする手技は無意味で、しばしば危険である。患部の切開、吸引、圧迫駆血(局部の壊死が悪化するのを防ぐため、30分おきに数分は駆血を解除する)をするより、包帯で圧迫する処置のほうが危険が少ない。
抗毒素を用いた血清療法は従来からの基本的な対応である。どのような場合でも、単価の抗血清を利用することが望ましいが、それには原因種の毒を確定する必要がある。時折ヘビの死骸が受傷者と共に運ばれて来ることがあるが、無理な捕獲は止めるべきである(これによる咬傷が最も多いから)。最も必要なことは、地域の主な危険種を知っておき、早期に臨床症状をつかむことである。
ELISAを用いた循環抗原と抗体の検索により、蛇毒の同定はより正確となる。ParisのPasteur 研究所や他の施設では、各地域の種に応じた単価または多価の抗血清が用意されている。北アフリカでは抗Vipera lebetina血清と抗Cerastes cerastes血清が多用され、北アフリカの仏語圏では抗Bitis-Echis-Naja血清が利用される。投与は通常20-40mlの特異血清または多価血清(これは静注すると実際の力価より効果が落ちる)を皮下注または筋注する。Besredka(乱切)法はウマ蛋白に感受性のある者では、アナフィラキシーショックを防ぐため必須である。一部の咬症患者には第7病日に、ステロイド療法や抗ヒスタミン療法が施行される。ステロイド療法の効果は過大評価してはならず、効果が不十分であったり、時には危険なこともある。重症例では静注で大量の抗血清とステロイド投与が必要、という者もある。
多くの爬虫類学者は、咬傷部を洗浄するとか、患者を監視下に置くことを、症例に応じていろいろ指示するが、局所や全身に毒症状が出現しない限り(実際に咬傷で注入される毒量は非常にばらつきがあり、しばしば零のことも多い)、血清療法を開始しない。 それ故、対症療法が主となる。何よりもまず、患者を安静にし、適量の鎮静剤で不安や痛みを抑える。患部を消毒し、抗生剤投与、破傷風とマラリアの予防を行なう。重症例(例えばコブラ咬症)では気管内挿管、補助呼吸といった、より複雑な蘇生を行なう。(マムシやクサリヘビの咬症による)出血性症候群には、新鮮血や凝固因子(フィブリノーゲン、PPSB)を投与し、必要に応じて強心剤や昇圧剤を与える。管牙型のヘビによる咬症で時に生じる広範な壊死に対しては、皮膚と真皮の移植が不可欠となることが多い。
毒液が眼に入った場合には角膜混濁、角膜潰瘍、虹彩炎を起こす。流水で十分に眼部を洗浄した後、コルチゾン点眼薬を用いると著効する。
ヘビ咬症を防ぐ一番の方法は、この爬虫類を慎重かつ乱暴にならないように扱うことである(図1)。特に熱帯地方では森林やサバンナを夜間歩くのは避け、少なくとも長靴を履き、棒を持つことである。

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