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魚網(Pisces)の刺毒
ハチミシマ類は海底の砂礫に隠れるようにして認められる。これには毒腺とつながる2本の管を備えた鋭い棘がある。入水した者が砂礫に隠れていたハチミシマを、誤って手や足に触れると、即座に痛みを覚え、これが患肢全体に広がって、頻脈を伴った悪心が生じる。時には失神や痙攣を起こすが、死亡することは稀である。
カサゴ科(Scorpaenidae)の魚には有毒種が多くいる。
Pterois lunulata(ミノカサゴ、図1)は紅海から東の熱帯の海と日本南西部の近海におり、光沢のある美しい魚であるが、毒溝を有す長い棘をもつ。カサゴは熱帯と温帯の海全域に見られ、海底に隠れている。これの棘は短く尖っており、刺されると重篤となることがある。
Synancidia horrida(イシオコゼ)はインド、マレーシア、オーストラリア、中国、フィリピン近海の熱帯珊瑚礁の海底におり、動かないために見る極めるのが難しい。これらの背部にある13本の棘で刺されると、強いアレルギー症状を起こして、時に死亡することがある。
毒の主要な物質は不安定な蛋白であり、血管透過性を増大させる。特異的抗毒血清がオールトラリアで製造されている。
エイ(sting rays, raies)の多くは体尾部の背面に1乃至数本の棘を有す。棘の外側は鋸歯状で、毒を分泌する小胞腺につながる2本の溝がある。
エイ刺毒症はDasyatis akajei(アカエイ、図3)とUrolophus fuscus(ヒラタエイ)に因るものが特に多い。これらの毒器官(図4)に刺されると、深い傷を負い、蛋白性の毒液の注入により激烈な疼痛を覚える。死亡例ではショック症状と筋麻痺が認められる。受傷部周囲の壊死により、四肢の切断を余儀なくされる場合もある。
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