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クモ目(Araneae)の毒



ヒトに危害を加えるクモは、熱帯と亜熱帯に生息している。非常に有毒なものに、新蛛亜目(Metathelae)のゴケグモ属(Latrodectus) という、大きさが2cmに満たない玉虫色のクモがいる。
これに咬まれると、疼痛、筋の拘縮が生じ、咬傷が多いと気管支閉塞から広範な衰弱に見舞われ、死亡率が高い。アマゾンのクロゴケグモ(Latrodectus mactans別名をblack widowという、図1)以外に死亡例は稀である。
ハイイロゴケグモ(L.geometricus、図2)はアフリカ原産だが、現在では南北アメリカ、フィリピンにまで広がっている。日本では近年、港湾地区を中心にセアカゴケグモの帰化が報告されている。
原蛛亜目(Protothelae)のトタテグモ科(Ctenizidae)のトリグイグモは、毛に覆われた大きさ9cm程の極めて攻撃的なクモで、咬傷を受けると、興奮から唾液や涙液の分泌過多を伴って、昏迷に陥る。
南米のシボグモ科(Ctenidae)のクモは小型だが攻撃的なため、ヒトを数時間以内に死亡させることがある。
コウモリグモ科(Lycosidae)にも非常に有毒な咬傷により壊死を起こさせる種がある。代表例はタランチュラ(Lycosa tarentula、図3)がある。
クモ毒は神経毒であり、アミノ酸60個程度の小さなポリペプチドからなる。治療には抗生剤、抗ヒスタミン薬、ステロイド、Ca剤の静注、抗毒血清の投与が挙げられる。
クモ糸が眼球部に触れて、浮腫や角膜炎を生じることがある。この場合はコルチゾン点眼薬を用いると良い。

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