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疣脚動物の寄生症(porocephaloses)


疣脚類(porocephaloses)のうち、アフリカのArmillifer armilattus, A.grandis, アジアのArmillifer moniliformisの3種が偶発的にヒトに見られる。これらの成虫は、Pytho sebae(ニシキヘビ)、Bitis gabonica、他のBitis、といった大型のヘビの肺嚢に寄生する。
この虫は体長数cmの円筒形、多数の擬環節をもつ。前端にある環状の口には、可動性の爪をもつ2対の鈎が、向かい合った形である。外皮には多くの棘があって付着がし易く、この内側には線状の筋が体節を形成している。外側には好酸性の分泌腺があり、腸の表面は無数の絨毛で占められている。
雌は胎虫包蔵卵を産み、これらはヘビの気管分泌液や排泄物と共に外界へ出る。この虫卵は即時に感染力をもち、土壌、野菜、或いは多くがヘビの表皮に付着して拡散される。これらが哺乳動物(げっ歯類、草食動物、サル、ヒト)に経口摂取され、その体内で幼虫となる。その後、組織行性またはリンパ行性にいろいろな臓器や腹腔内に到達して、若虫に変態する。若虫は体長1.5cmで、繊維性の殻で覆われ、成虫と同じ形をしている。若虫は体を巻いた形をしている。ヘビは感染した中間宿主を食べて感染する。
ヒトへの感染は、汚染された土、食物、ヘビの皮を口にしたり、調理不十分や生の爬虫類の肉を食べて、雌虫を丸飲みした際に起こる。感染例は農村部の住民に多く、蛇狩りをする者や蛇を常食する集団の者である。
若虫は人間の腹膜、腸間膜、 Glisson鞘、肺、筋肉に局在し、ごく稀にその他の臓器(特に眼球と小脳)にも見られる。若虫は通常、局在部位で死に石灰化する。
幼虫移行症や被嚢化した大半の症例では、症状は認められないが、これ以外に説明のつかない好酸球増多を伴うことがある。診断は様々な状況で偶然つくことが多い。胸部や腹部X線像に、直径1-2cm の三日月型や環が途切れた形の透亮像が、 Glisson鞘や腹膜に認めたり、開腹手術や腹腔鏡検査中に、若虫が《蝋燭を垂らした跡》のように見えて、癌性結節と混同されたりする。
本症との明白な併発の証明なしに、肺(肺炎、気胸)、心(心外膜炎)、腎、神経髄膜に合併症が起こる、ということを批判する者もいる。若虫は眼球結膜下に寄生したり、特に肝外胆道系で機械的閉塞を起こしたりする。皮下や眼瞼結膜への寄生では、虫を容易に摘出でき、確診が下せる。
稀に大量に感染した場合は、死亡することがある。
血清学的診断は可能であるが、過去の感染例では陰性となろう。
治療は、若虫が石灰化して見つかった症例では全く無益で、現実に行なわれるものはない。

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