HCLでは脾腫に伴う脾機能亢進が汎血球減少症の原因であり、そのための症状が出現している例では、摘脾が治療の第1選択。欧米では194例の摘脾治療を受けたHCLの平均生存期間は22年以上であった。
しかし、脾腫の見られない症例や骨髄浸潤例では、摘脾の効果は低下する。骨髄浸潤が少なく、摘脾が有効であった症例でも、2年以上経過すると骨髄浸潤が顕著となり、汎血球減少症が再び出現してくることがある。
そのような進行例にはαインターフェロン(IFN)やペントスタチン(2'-デオキシコホルマイシン、DCF)を用いた化学療法を考慮する。DCFは多くのリンパ系腫瘍に有効性が認められているが、特にHCLに対して効果が高い。感染寛解65%+部分寛解15%と約80%に良好な治療成績が期待でき、αIFNに比べ再発も少ないという。
ただ熱帯地方では、IFNとDCFは入手困難であり、施行可能としてもDCFによる治療の初期には骨髄抑制を起こすことが多くため、一部の施設でしか利用できない。
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