成人T細胞白血病とHAM/TSPの治療


成人T細胞白血病の治療
 ATLの治療は、悪性リンパ腫への治療法が一般的。ある程度の治療効果は得られるものの、予後は極めて不良である。
日本で1984年から1987年にかけ、Lymphoma Study Group(LSG)が全国で集計した、ATL全例の生存期間の中央値は9.0か月で、4年生存率10.3%であった。
病型別では、急性型およびリンパ腫型は生存期間の中央値が各々6.2か月と10.2か月で、極めて予後不良である。くすぶり型と慢性型は、予後不良と考えられる症例を除き、化学療法の適応はなく、対症療法あるいは無治療で経過観察するのが一般的。熱帯地方では患者の免疫管理はさらに困難であり、治療の適応はさらに少ない。
 予後不良症例への多剤併用化学療法には、ビンクリスチン(VCR)、シクロホスファミド(CPM)、ドキソルビシン(ADM)、プレドニゾロン(PSL)によるVEPA療法が主。ブレオマイシン(BLM)、メトトレキサート(MTX)、ビンデシン(VDS)、プロカルバジン(PCZ)、エトポシド(VP-16)も併用される。このような強力な化学療法が充分な管理の下で行われれば、ATL患者に対する完全寛解率は45.0%に達する。

HAM/TSPの治療
 抗痙縮薬による対症療法が主。副腎皮質ステロイドの経口投与で症状の改善を認める症例が相当数ある。αインターフェロン、ミゾリビン、アザチオプリンなども試みられる。


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