成人T細胞白血病とHAM/TSPの診断


 ATLの診断基準は以下の3条件。
(1)血液組織学的または病理学的にリンパ系腫瘍と診断され、
(2)腫瘍細胞はT細胞由来(特にCD2,CD3,CD4が陽性)であり、
(3)抗HTLV-I抗体が陽性である
熱帯地方では検査に限界があり、特に疫学的な浸淫の分布を考慮すべき。
 鑑別疾患には、他のT細胞腫瘍(慢性リンパ球性白血病やSezary症候群)がある。
厳密には、HTLV-IプロウイルスDNAのモノクローナルな組み込みの証明など、ウイルス学的検索により鑑別診断を下すのが妥当。

 HAM/TSPの診断は、神経学的に以下のような所見があり、脊髄液中(または血液中)にHTLV-I抗原または抗体を証明する。

筋力低下 下肢の近位筋に多い
痙性対麻痺 緩徐な経過を辿る
感覚障害 灼熱感
下肢への放散痛
自律神経障害 初期:膀胱障害
中期:勃起不能
後期:便秘
反射 四肢で亢進
ミオクローヌス陽性
バビンスキー陽性
その他 振動覚障害

熱帯医学データベースに戻る

AMDAホームページに戻る



      このページはAMDA学術委員会により作成されました。


            お問い合わせはmember@amda.or.jpまでお願いいたします。