成人T細胞白血病とHAM/TSPの症候


成人T細胞白血病(ATL)の症候
 ATL患者の男女比はやや男性が多く、20歳以降で発症し、日本における平均年齢は57歳であった。
皮膚症状(38.5%)、リンパ節腫脹(60.1%)、肝腫(25.7%)、脾腫(21.7%)、高Ca血症(31.8%)が主要症状。他の白血病と比べ、貧血や出血傾向が少ない。
 ATLは、くすぶり型、慢性型、リンパ腫型、急性型の4病型に分類される。

腫瘍病変など くすぶり型 慢性型 リンパ腫型 急性型
皮膚病変 あり
リンパ腫大 なし あり
肝脾腫 なし
骨病変 なし なし
中枢神経病変 なし なし
胸腹水 なし なし
消化管病変 なし なし
リンパ球/μl 4,000未満 4,000以上 4,000未満
異常リンパ球 5%以上 時々 1%未満 時々
ATL細胞* 時々 時々 なし あり
血清LDH やや上昇 やや上昇
血清Ca(mEq/l) <5.5 <5.5
抗HTLV-I抗体 陽性 陽性 陽性 陽性

*花弁状の腫瘍細胞


  病悩期間は、4か月〜55年(平均15.6年)と症例差が顕著。歩行障害(100%)、排尿障害(93%)、感覚障害(56%)が3大症候で、これらは初発症状となり得る。
 経過はいずれの症状も緩徐進行性であることが特徴的。


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