マールブルグ病の症候と診断


1.マールブルグ病の症候
 潜伏期は3-9日。倦怠感、発熱、筋肉痛、頭痛に引き続き、咽頭炎、嘔吐、しぶり腹の粘血性下痢を伴って、急激に発症する。発病から5-7日経つと、掻痒感のない斑状丘疹または小胞性丘疹が出現し、次いで細かい落屑が生じて、時おり軟口蓋にタピオカの粒のような粘膜疹を認める。熱発は稽留熱型で、比較的徐脈である。重症では中枢神経障害(意識混濁や昏睡)、急性腎不全、劇症性肝炎、出血性症候群(DICと肝不全)を認め、多臓器不全で死亡する。致死率はマールブルグ病で25%程度で、第8-9病日に死亡することが最も多い。
 血算ではリンパ球を主体として白血球数が減少し、血小板は極端に減少している。血清トランサミナーゼ値は上昇し、時折血清アミラーゼ値も増多する。蛋白尿を伴う腎不全を頻発する。

2.マールブルグ病の診断
 診断は間接的免疫蛍光法またはELISA法(特異的IgGが64倍以上かIgMが8倍以上、または15日あけたペア血清の抗体価の上昇)で血清学的に行なう。血液、尿、生検試料をVero細胞上で培養して、ウイルスを分離して確定する。バイオセーフティーレベル4のウイルスのため、これらの検査はWHOが指定する特殊研究所でしか実施されていない。


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