日本脳炎の予防


 1954年に日本の国立予防衛生研究所で、中山-予研株を用いた不活化ワクチンが開発されて以来、ワクチンによる予防が可能となった。現在、日本を含むアジアの6カ国で、日本脳炎ワクチンが小児の予防接種対象疾患となっている。日本では1989年に、半分量でより抗体産生が広範で強い、北京-1型株が国内用ワクチンに採用されている。中国では1980年代から、ハムスター腎細胞系を使用した不活化ワクチン(SA14-14-2など)が広範に実用化されている。
 日本脳炎ワクチンの接種歴がない者が浸淫地域に入り、頻回の吸血を受けそうな場合には、3回接種(第1, 7, 30日)が勧められる。接種歴がある者でも追加接種を1-2回受けることを勧める。
 日本脳炎ウイルスを増殖させるブタへの予防接種は、ブタの生産期間が短く、また大量のため、実施が難しい。コガタアカイエカは水田に棲息するカのため、殺幼虫剤(テメフォスなど)を使用するとか、地域の水田を一斉に水落しするなど様々な防圧活動を包括的に行なったとしても、個体数を減らすことは容易でない。


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