日本脳炎の症候


 潜伏期は約7日間で、発病は悪寒、熱発、激しい頭痛で急激に起こる。全身期に入ると、重篤な感染性症候群が顕著となり、はっきりとした髄膜炎症状と、時おり二次的に精神神経症状が認められる。主に、意識混濁、昏迷、興奮、譫妄、痙攣、錐体路または錐体外路症状(トーヌスの障害も多い)、小脳症状、脳神経症状、感覚障害あり。症状が悪化すれば、患者は第10病日に昏睡から死亡したり、救命しても重篤な精神神経症状を遺して軽快する。1924年に日本で起きた流行では、6千人が発病し、症例死亡率は60%にのぼった。精神的、一過性の神経症(急性散在性脳脊髄膜炎(ADEM)や小脳失調など)をみるものの、完全に回復する者もある。不顕性型では感染症候群が軽微であり、無症候型は血清学的な陽性所見のみである。


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