サシチョウバエが媒介する発熱疾患


サシチョウバエが媒介する発熱疾患

ウイルス ICD-9/10 分布、媒介動物、臨床症状など
三日熱または
サシチョウバエ熱

ICD-9 066.0
ICD-10 A93.1
  • 旧世界ではNaplesおよびSicileの2つの主要なウイルス(Phlebovirus) が認められており、これらは免疫学的に交叉反応を示さない
  • 保有動物のいない厳密にヒトだけのブンヤウイルス感染症
  • 媒介サイチョウバエは、取り分けPhlebotomus papatasiの場合、数世代にわたり病原体を保持する
  • 地中海沿岸に広範に見られ、アジア(インド、中国、中央アジア)や、アフリカの熱帯にも認められる
  • アメリカ大陸でも近隣ウイルスが同様な疾患を引き起こす
  • 潜伏期は3-6日で、体温が39-40℃に急上昇して発病
  • 結膜充血、喉頭腫脹、脈拍解離、びまん性の疼痛(頭痛、眼窩痛、背部痛)が特徴的
  • 第3病日かそれより少し遅れて解熱し、回復までに時間がかかる
  • 血清学的診断は難しく、時おり白血球減少症や脊髄液(アルブミンの増多、リンパ球が1m蜩魔スり数百)の分析が方向付けに役立つ
  • 治療は対症的
  • 個人の予防は、サシチョウバエの来ない2階より上で寝たり、目の細かい蚊帳や網戸に接触型殺虫剤を使用
チャングノーラ熱
ICD-9 066.6
ICD-10 A93.8
小胞性口内炎
ICD-9 066.8
ICD-10 A93.8
  • 病原体はラブドウイルスで、北米ではサシチョウバエによって伝播する人畜共通感染症
  • 野性動物、樹木に生活する動物、ウマ、ウシ、ヒツジ、ブタに認められ、口腔内、乳房、足踵に小胞性丘疹を生じる
  • ヒトへの感染は接触または気道吸入により、口腔内に小胞を伴った感冒様、時には下痢を引き起こす
  • コクサッキウイルスによる小胞性口内炎と誤診しないこと



熱帯医学データベースに戻る

AMDAホームページに戻る


      このページはAMDA学術委員会により作成されました。

            お問い合わせはmember@amda.or.jpまでお願いいたします。