エボラ出血熱の治療


 治療は対症的に行なう。かつて回復期血清とインターフェロンが、二次感染者の症例を軽快させたと考えられたが、効果はそれほど期待出来ない。看護要員への感染を防ぐために、厳密な衛生管理が求められるため、スタッフは治療に携るべきでない。ラッサ熱と同様に、マールブルグ熱やエボラ出血熱の患者や疑診者を輸送する際は、厳重な管理が必要である。特に看護要員の多くに病原体が拡散する危険がある(スーダンでの流行では看護要員の3割が感染した)ので、止むを得ぬ場合を除いて搬送はしない。患者は隔離病棟か個室に収容し、直接介護する者は衣服で防御して一人で行なう。予想される潜伏期間かその倍(少なくとも14日程度)の期間、隔離するのが望ましいが、経済的事情や効率性を考慮するため、絶対的ではない。患者が接触した住民を対象に、衛生教育を実施しなければならない。国連の出先機関や地元保健医療当局の了承がない限り、(スッタフを含めて)患者を都市の中心部へ移送するのは勧められない。流行地への交通が遮断されることもしばしばある。スタッフの脱出のタイミングも考えておかねばならない。


熱帯医学データベースに戻る

AMDAホームページに戻る


      このページはAMDA学術委員会により作成されました。

            お問い合わせはmember@amda.or.jpまでお願いいたします。