HDVは直径35nm程度で、外被にHBsAg、内部にデルタ抗原を含有する粒子。後者は一本鎖RNAで、線形または円形をとる。
HDVは、HBVと同時感染、または慢性B型肝炎患者に重複感染することが特徴。即ち、HDVはHBs抗原の存在なしに、単独でヒト細胞に侵入することは出来ない。
HDVは世界中に分布すると考えられるが、特にHBVが浸淫しているロシア、ルーマニア、イタリア南部と、アフリカ、南米からの症例報告が多い。
欧米では、重症のB型肝炎の25-50%はHDVの感染も認められると云う。
伝染形式はHBVと同様、汚染血液、性行為、汚染した注射筒や針を介しての感染が殆どと考えられている。
HDVの感染力は発病前の潜伏期が最大で、発病と共に血中ウイルス量は減少していく。
このページはAMDA学術委員会により作成されました。