WHOは1997年までに、国家予防接種計画(National Immunization Prgram)にHBVワクチンを加えるように、との勧告を発している。しかし現実にはHBVワクチンの供給は末端まで充実していない。
今日B型肝炎ワクチンとして最も優れているのは組み替え型DNAワクチン(rDNA)で、これは筋注で3回接種するのが望ましい。特にアジア、アフリカの浸淫地では乳児期の感染を予防することが重要なため、特に妊婦がウイルスキャリアの場合は、出生時に免疫グロブリン*と共にワクチンの初回接種が出来れば理想的。但し、接種の計画は地元の保健医療当局の方針に従うこと。
施設内での医原性感染は厳に防がねばならない。特に注射筒と針の衛生管理は、現地スタッフと話し合いを重ねて徹底する。もしもHBVの免疫を持たない者が針刺し事故を起した場合の対応は、原則的に次のようにしたら良い。
血液のHBV汚染 | 明らか# | 疑い、不明 |
予防法の選択 | HB免疫グロブリン* | HBVワクチン |
接種の時期 | 初回:24時間以内 次回:1ヶ月後 |
初回:1週間以内 次回:その1ヶ月後 |
*HBIGの投与量は、0.06ml/kgを目安(成人では5ml)
#性行為による経粘膜感染の危険がある場合にも適応。性交後2週間以内であれば、HBIGによる予防効果が期待できる。
このページはAMDA学術委員会により作成されました。