Sorry ,This page is written in JAPANESE. English version is not available

A型肝炎の疫学


 A型肝炎ウイルス(HAV)はピコルナウイルス科に属する、直径27nmの正20面体構造を有するRNAウイルス
HAVは100℃で1分半の熱処理、ホルムアルデヒド、紫外線照射で不活化される一方、エーテル、酸(pH3.0)、クロロホルムには抵抗性を示す。

 殆どの感染者は無症候または黄疸を呈さない軽症で、症例死亡率は1/1,000未満と云われる。発症年齢が高いほど重症化しやすく、50代以降の症例死亡率は3%に達する。A型肝炎は致死的な劇症例を除いて、後遺症なく完治する

 熱帯地方ではA型肝炎は浸淫状態にあり、殆どの住民は免疫を有しているため、流行は見られない。逆に、衛生環境の整った国では、学童間の集団発生や食品取扱者からの汚染による食品を介した分散した集団発生が見られる。汚染地域からの貝類の生食による感染も軽視できない。

 HAVはヒトが主要な保有動物であるが、チンパンジーも感染を起す。しかし伝播形式はヒト−ヒト間の、糞便からの経口感染しか起こらない。
ウイルス保有者の感染力は、発症前2週間から発症直前まで、黄疸発症の頃(即ち抗HAV抗体が上昇した時期)までに感染力は失われる。但し、乳児の感染例では抗体産生が充分でないため、感染力が遷延することに注意。

 潜伏期は15-50日と云われるが、概ね1ヵ月と考えて良い。


熱帯医学データベースに戻る

AMDAホームページに戻る


      このページはAMDA学術委員会により作成されました。

            お問い合わせはmember@amda.or.jpまでお願いいたします。