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治療
一般的な指針:in vitroでは沢山の抗生剤がSalmonellaに対して効果を示す。しかし臨床では検査室の結果と一致しないことがしばしばで、腸チフスの臨床では、腸間膜リンパ節によく移行する抗生剤が有効とされる。有効性の低い経口剤では、大半が十分な血中濃度を得られない。
S.typhi治療の初回投与量は、感受性のある抗生剤につき、実験と臨床のデータから決められるが、chloramphenicolに耐性はしばしば知られており、サルファ剤、 tetracyline系、 penicilline A系への耐性も多少ある。けれどもchloramphenicolとpenicilline A の両方に耐性の株は少ないことは幸いである。cephalosporine第3世代や新quinolone 系への耐性も知られていない。
実際の投与法:多数の抗生剤が有効だが、chloramphenicolが安価なために多くの国で治療選択薬となっている。1日2-3g (50mg/kg/day)を分4で連日経口投与すると、3-4日で急速に改善する。治療開始後3-5日で解熱するが、その後も通常14日間投与を続ける。治療が失敗する割合は高いまま(10%)である。致死性の脊髄麻痺は稀(2万5千例に1例)である。用量依存性の汎血球減少症は頻繁で、投与を中止することで軽快する。
thiamphenicolは再発が多く、解熱に時間がかかることが不都合だが、致死性脊髄麻痺が報告されていないため、 chloramphenicolと同じ処方で、好みで使用されてよい。
ampicillineは100mg/kg/dayを分4で連日経口または注射で投与すると、3-4日で解熱し、さらに15日続けると同様な効果がある。ampicillineとamoxicillineは英米諸国で頻繁に使用される。フランスでは結石合併例、chloramphenicol耐性例、 phenicole禁忌例(新生児、妊婦、血液疾患の既往)といった幾つかの症例に予備的に用いられる。
cotrimoxazole(trimethoprime+sulfamethoxazole, ST合剤)は、研究では否定的にも拘らず、代替の治療薬となっている。cotrimoxazole 2錠(trimethoprime 320mg + sulfamethoxazole 1,600mg)を毎日2回内服すると通常5日目に解熱し、その後も15日間続ける。再発率は恐らく少なめ(2-10%)であろう。かつては血液と皮膚への副作用の危険があり、使用は限られていたが、G6PD欠損症やサルファ剤アレルギーの症例、新生児、妊婦に用いられる。
cephalosporine系の薬剤の中で、ceftriaxone(Rocephine) は最もよく使われる。1日1回注射で2g(50mg/kg/day) を連日投与すると、解熱までに普通3-4日かかるが、投与期間は10日に短縮され、平均入院期間も12日となる。再発率と合併症の割合が減少するかについては、きちんと結論づけられていない。
新quinolone 系はcephalosporine第3世代と同様の利点がある。治療期間と入院期間は短縮し、副作用も減少する。しかし再発と合併症の発生率が低下するかは、これも結論は出ていない。沢山のquinolone系で有効性が証明されている。
ciprofloxacineは局所症状がない場合、1-1.5g/dayを分2で5日間連続で内服する。ofloxacineは400mg/day を分2で10日間連日で服用する。pefloxacineは800mg/day を分2で14日間服用し続ける。これらの薬剤は妊婦と小児には禁忌である。
これら以外の治療法が時おり必要なことがある。電解質の補正とステロイド治療は、重篤な中毒症状があるとき行なわれる。逆にaspirineのような非ステロイド性抗炎症剤は出血傾向を助長する恐れがあり禁忌である。輸血は小腸からの出血がある場合に必要なことがある。消化管穿孔の治療ではまだ論争が続いているが、第5病日までは開腹術が勧められると考えられる。
慢性保菌者の場合は、胆嚢の機能がある症例では、ampicilline 100mg/kg/day とprobenecide 50mg/kg/day を分4で6週間連日内服する。quinolone 系も同様な効果があり、適応がある。機能低下(胆嚢結石)がある場合は、外科的治療が適応となる。
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