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診断
回帰熱の臨床症状に特異的なものはなく、その診断は浸淫地域から帰国した者で、以前に発熱、黄疸、肝脾腫、皮膚の発疹、出血傾向、髄膜-脳所見を示した症例を特に疑う。浸淫地帯では回帰熱の熱発傾向が弱まるため、本症のことが忘れられ、マラリアと疑診されることがある。
診断に向けた検査:血算では貧血が時に重篤(200 万/μl )に認められ、発熱発作時に多核白血球優位、無熱時には単球優位の白血球増多症がある。肝機能検査ではしばしば異常があり、肝細胞障害は著明である。腎機能検査は予後の判定に有益である。腰椎穿刺では髄液は清澄で、しばしばリンパ球数が増加した中程度の高アルブミン血症を認める。免疫学的検査法は実用化の途上にある。Borreliaに対する補体結合反応、血球凝集反応は特異性が十分でない(レプトスピラ症やトレポネーマ症との交差反応がある)。さらに陽転するまで時間がかかる(無熱期になってから)。
確定診断:Borreliaを見付けることが確定診断となる。有熱期の血中によく検出される。新鮮な検体を用い、(通常の顕微鏡で墨汁染色して、または暗視野顕微鏡で)直接検鏡するか、GiemsaまたはVago式で染色するか、白血球濃縮法、或いは特別な培地(野口培地またはLi Yuan Po培地)か鶏卵胚で培養する。マダニ媒介回帰熱患者の血中の方が、シラミ媒介回帰熱患者の血液よりBorreliaをよく検出する。髄液中からBorreliaを発見することは極めて希である。
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