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予防
患者、周囲の者、暴露した者に対して、予防手段が取られるが、最終的にはペストの流行巣を見付けて、撲滅することである。
ペスト患者は、特に肺ペストや腺ペストで肺合併症がある症例では、隔離されねばならない。患者は十分な治療を行い、何の予防もしていない患者の衣類や寝具は殺虫、滅菌する。
患者の周囲の者や職業上暴露される者(医師、看護婦)は、予防内服や予防接種で一時的に防御される。予防内服としては、 sulfamide系製剤(sulfadiazine, 2-4g/day、またはsulfadoxine(Fanasil) のような長時間作用型ザルファ剤がなお良い)を使う。
予防接種では(Pasteur 研究所製の死菌ワクチンまたはGirard-Robicの生菌ワクチン)投与後7日目から少なくとも6ヵ月間、確実な免疫を与える。
集団予防は、ノミとげっ歯類の駆除を同時に行なうため、大掛りとなる。ノミは有機系殺虫剤(DDTやHCH)に感受性がある。ネズミへの対策は防御的なもの(家屋や穀物置場の《ねずみ返し》)と駆除(港町でよく行なわれる殺鼠運動)がある。これらは比較的簡単であるが、効果は捗捗しくなく、長続きもしない。一方、野性のげっ歯類に対しては手の付けようがない。WHO(世界保健機構)によって制定された国際規制では、浸淫地域に投錨する船舶では、殺鼠管理を特に義務付けて、ペストの拡散を防ごうと模索している。
参考文献
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