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ペストの疫学的な模式
ペストは乾燥度によって、3つに区分される。

  野生型ペスト:この流行地域では、野性のげっ歯類が感染するが、ネズミはおらず、ヒトを吸血するノミもいないため、患者の発生は少ない。 Kurdistan地方では、メリオンという感染しやすいげっ歯類には何種類もが感染するが、他には少ない。これらは互いに接触しない。Yersin菌は、菌に抵抗性のあるげっ歯類によって維持される。数年経つと、メリオンの数は縄張りの中で重複し始め、ペストが感染したげっ歯類により伝播して、殆ど全てが獣疫(動物間感染)で死滅する。げっ歯類の獣疫が凡そ10年毎に起こるのは、感受性のある種の数が再び増加するのに必要な期間によるからと考えられる。ヒトの感染例は稀である。この場合初期には大抵が、ペストに罹ったメリオンの死骸を触った子供が、腺ペストを起こす。腺ペストから肺と気管支に合併症を作り、肺ペストによる人間同士の直接感染を引き起こす。感受性のあるげっ歯類の獣疫と同様に、ヒトのペストの流行にも数年の間隔が生じる。

  農村型ペスト:ペストは野性のげっ歯類だけでなく、農村部のネズミにも感染するが、ヒトのノミがいないため、人間の症例は散発的である。インド北部では、野性のげっ歯類が菌に抵抗性があり、農村部にたくさんいるクロネズミのような感受性のあるげっ歯類が毎年獣疫を起こすため、動物間浸淫を形成している。この獣疫はモンスーン気候の終わり頃に突然発生することが多い。ネズミ間の伝播は、特定のノミ(X.cheopis) で引き起こされる。このノミは偶発的にヒトも吸血して、腺ペストを発症させる。ヒトを吸血するノミがいないこと、高温の気候で肺ペストが稀なことが、人間の流行を抑制している。インドの農村部では、モンスーン気候の終わりに、ヒトとネズミが緊密に接触することから、この時期に人間の症例か増加する。

都市型ペスト:かつては非常に流行したが、現代では極限られた地域にしか見られない。この型の特長には、ヒトのノミであるP.irritansによって、腺ペストがいろいろな形で突発的に流行する可能性があることである。モロッコは野性のげっ歯類による動物間浸淫が続いている地域であるが、時にはネズミが感染したノミに吸血されて、げっ歯類の獣疫を増長させる。これを伝播するノミはX.cheopisであるが、これが偶発的にヒトを吸血することもある。この場合、腺ペストがP.irritansによって流行する。さらに寒冷気候だと、肺ペストがさらに大きな流行を形成する。

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