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病原性
コレラは小腸に毒性の感染をし、様々な程度の水分の漏出と電解質の僅かな移動を引き起こす。それに伴い、大量の細胞外脱水から、全身性の脱水をもたらす。経口摂取されたビブリオ菌はふつう胃酸で壊される。ボランティアで行なった実験では、コレラ菌は殆ど回収されないことから、そう説明されるが、患者については同じとは云えない。菌が大量に摂取されると、胃酸の防御を破ることが出来る。小腸のpHはアルカリ側にあり、ビブリオ菌は急速に増殖し、菌体外毒素が分泌される。これはコレラギンと称される、熱に不安定で透析で除去出来ない蛋白で、1つのサブユニットA(さらにA1とA2に分けられる)と5つのサブユニットBからなる。最近これらの構造が、小腸の受容体(ganglioside GM1) と関係し、 cAMPの偏在を引き起こすことが示された。サブユニットA1が細胞に侵入し、そこでナトリウムの吸収を阻害して、クロールと重炭酸塩の排除を引き起こす。これにより、まず水分、塩、重炭酸、次いでカリウムが失われる。成人体液10 l中には、Na+135mEq, Cl-110mEq, NaHCO3 40mEq, K+15mEq が含まれる。大量かつ激烈に電解質が失われるため、疾病の症候が現われ、治療の方向付けが示唆される。健常なボランティアに5μg の毒素を投与すると、コレラの下痢が認められる。しかしながら、毒素非分泌型のコレラ菌も下痢性疾患を引き起こす力がある。
 
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