結核の症候


 結核は全身性感染であり、有病率の低い地域では原発病変からの再感染が原因となり、逆に有病率が高いところでは外環境からの曝露が重要なことが多い。但し、HIVが重感染した結核では、相互の増悪効果が起こることに留意して診察する。

1.肺結核の症候
 持続する咳、喀痰(時に血痰)、胸痛、といった呼吸器の自覚症状の他に、発熱、るい痩、盗汗など全身性消耗症状が3週間を超えて見られれば、本症を疑うべき。特に排菌例の9割以上は有症状であることは重要。エイズ患者の場合、担当医から縦隔リンパ節腫脹が指摘されて、結核が疑われることがある。小児結核は肺結核よりも、粟粒性結核や結核性髄膜炎が先行して見つかることがある。それでも通常は典型的な肺-リンパ節病変を呈するので、X線設備があるところで胸部X線検査を施行したい。

2.肺外結核の症候
 遷延性の不明熱と髄膜炎症状、脊髄神経病変(Pott病)、腹水、皮膚病変、心雑音(心外膜炎)、リンパ節腫脹といった結核性症候があれば、積極的に肺外結核を疑うこと。特に熱帯では骨病変が多く見られる。


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