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疫学
病原体はRickettsia mooseriで、Mooserによって発見された。ネズミが保有動物で、特にクロネズミ(Rattus rattus) は納屋や穀物倉庫に沢山おり、貨物船の船倉に入り込んで遠くへ行くことが知られている。ネズミノミ(Xenopsylla cheopis)が媒介昆虫である。これは小型の隠翅目で、好んでネズミを吸血するが、他の動物やヒトにも付き貪欲である。ネズミ同士の感染は、感染ネズミを吸血したノミが、その排泄物によって次のネズミへ伝播することが一般的と考えられる。共食いによる直接感染も同じくらい多い。
ヒトへの感染は、ネズミノミがたまたま吸血した際に、体表に排泄して感染するのが一般的である。R.prowazekiと同様、R.mooseriも皮膚や粘膜の擦過傷部から侵入する。稀に感染ネズミの尿で汚染された食品を食べてヒトが感染することもある。
発疹熱は散発性と浸淫性を示す疾患である。とりわけ頻度が高いのは、ヒトとネズミの接触が緊密な、船倉、食物倉庫といったネズミが侵入し易いところ(海運チフス、食堂チフスと呼ばれる所以)だが、サバンナの国では季節的に薮が火事になり、ネズミが村に逃げのびようとするため、しばしば発生する(サバンナチフスと呼ばれる所以)。
発疹熱は世界中に見られ、浸淫地帯は中米、欧州の地中海沿岸、アフリカ(マグレブ、サヘル地方)、マダガスカルとアジアである。

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