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診断
流行期間中は診断は容易だが、孤発例があり、それが流行の原因となることを認識せねばならない。血算では貧血があり、多核白血球増多に代わって二次性のリンパ単球増多を認める。R.prowazekiの分離には、最初の1週間以内で抗生剤を使用する前に、患者血液をモルモットに接種(8日目に発病)するか、卵胚や組織培養液で培養する。分離されたリケッチアは病理実験の予測や、特異的血清免疫や直接免疫蛍光法による型分類によって同定される。しかしこれらの方法は不確実で、手数がかかり、疫学的にしか利点がない。皮膚病変部の生検では、典型的なFraenkel結節(血管内皮に変化を伴う血管外性結節)が認められる。
血清学的手法はより頻繁に用いられている。Weil-Felix反応は特異的でないが、発疹チフス患者血清で、Proteus OX 19に対して凝集し、陽性となる。陽転は発疹チフスで第7-8病日目となる。Brill病では陰性である。Brumpt式血液診断法は原理は同じで、簡便なため、流行時に利用される。特異的血清診断法には、補体結合反応、血球凝集反応、間接的免疫蛍光法、中和法と多数ある。Giround式微小凝集法(R.prowazekiのガラス板上凝集)はそれほど利用されない。実際は免疫蛍光法と補体結合反応が用いられている。免疫蛍光法の発達で、特異的IgMの検出が出来、最近の感染が証明されるようになったが、発疹チフスと発疹熱との間で交差反応を生じる。2つの血清学的診断法を15日間隔をあけて実施しなければならない。
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