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バルトネラ症の疫学


 病原菌はBartonella bacilliformisで、大きさは1-3μm、グラム染色で様々な形に赤染する。毛細血管の内皮系で増殖し、オロヤ熱の患者では、数十個の菌が1つの成熟赤血球の表面に付着する。ペルー疣病の場合には、皮膚の病変部に病原菌が見つかる。

 本症は南米の北緯2度から南緯13度に挟まれた、標高500-3,000mの一帯に浸淫し、これは本症を媒介するサシチョウバエの分布と一致している。
実際にはペルー、エクアドル、コロンビア南西部の渓谷地帯での発生が多い。
ペルーでは1959年にHuastaで集団発生があり、約200名が死亡した。1987年のShumpillanでの集団発生では14名の死亡が確認されている。年間症例報告数は200-500件だが、1982年には3,795例を数えている。
エクアドルではLojaとGuayas(特にPanan及びChongon-Colonche高地)からの報告が殆ど。Zamora Chinchipe州では1984年から1978年に17例の報告がある。1987年から1995年にかけて、本症はManabi州の低地に拡大している。1998年にはペルー国境の山岳地帯に流行を見ている。
コロンビアからの報告は、第二次大戦後は殆どない。

 本症を媒介するのはサシチョウバエ属(Phlebotomus)の吸血昆虫。南米では皮膚・粘膜リーシュマニア症も媒介する。ペルーとエクアドルではLutzomyia verrucarum、コロンビアではL.columbianaが主要種と考えられる。
これらのサシチョウバエは夜行性で、浸淫地に5%ほどいると考えられる無症候性保菌者を吸血して病気を伝播する。
ヒトが唯一の保有動物のため、媒介昆虫が棲息しない地域で患者発生を見たときは、輸血による感染を疑わねばならない。

 潜伏期は1-14週間(大概は2-4週間)で、症状は成人例の方が小児例より重篤なことが多い。


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