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疫学
罹患率:熱帯諸国では重大である。黒アフリカでは国により、年間住民10万対10-50にある。 Dakarでは32.5を示し、感染症で病院へ入院する理由の第2位(化膿性髄膜炎に次いでで、麻疹やマラリアより多い)となっている。アジアの特にインドでは、罹患率は年間住民10万当たり1050で同程度である。ラテンアメリカでは、これより少し低目のようである。これに対する比較の目安として、米国では破傷風の罹患率は僅か10万対0.2、フランスでは10万対1.06 である。

死亡率:破傷風による死亡率も浸淫度の重大性を示しており、黒アフリカで年間10万対7-15、インドで40-60、一方米国では0.13、 フランスでは0.72に過ぎない。

  年令別分布:熱帯諸国ではどこでも、全年齢層が破傷風を発病するが、50%は10才未満で、70%は20才未満である。一方、欧州や米国では、破傷風患者の半数以上が50才を越える。現実に先進国では若年層の大半は予防接種されており、高齢者の中には一度も接種されていなかったり、ワクチンの免疫が消失していたりする。逆に熱帯諸国では予防接種運動が始められたばかりのところにある。

  性別分布:性別は殆ど重要でない。新生児破傷風は、アフリカでは僅かばかり男の子に多いが、そこ以外では女の子の方が命を落としやすい(伝統的な耳朶のピアスが原因のことが多い)。

  季節的頻度:アフリカやインドでは、破傷風は雨期に僅かばかり少ない。恐らくこの時期には人々は滅多に外出せず、外傷を受けることも少なくなるのだろう。新生児破傷風にはこのような規則性はない。

侵入部位:外傷による偶発的な感染が45%を占め、死亡率は29%に達して首位である。足の傷がしばしば見られるが、裸足で歩くことが多いためと考えられる。このような傷口は放置されたり、泥や草木(挽き潰した陶土やトウガラシの葉)を原料にした膏薬を使って、先祖からの風習で治療される。
伝統的な習慣はDakar では20%の原因を占める。割礼による感染は、衛生状況が改善したせいで、都市部では減少しているが、女子の場合、陰核切除が一部の部族で行なわれており、時おり原因となる。耳朶のピアスは感染原因として多い(16%)。手技自体は消毒して行なわれるが、孔が塞がらないように付けておく、輪状の木片の端から、菌が感染する。口腔周囲の刺青は滅多に原因とならない。
産科的な破傷風は、産院で出産する女性には少ないが、自宅で伝統的な風習で出産する場合、極めて多い。流産後の破傷風も、中絶の場合以外では殆どない。
臍帯からの破傷風は、アフリカでは周産期死亡の重要な原因であり、依然深刻な問題である。一般に自宅分娩に引き続き起こるが、時折産院でも発生するのは、生まれた子供が家族に引き渡された後、臍の切り口に伝統薬を擦り込むためである。侵入部位が見付けられない破傷風は8%しかない。

  外科的治療による破傷風は、開放性骨折や菌腫に対する整形外科の治療後に最も多い。

  耳鼻咽喉科、口腔外科、皮膚科的治療が原因のことも少なくない。慢性耳炎、歯槽膿漏、化膿性皮膚炎、熱帯性潰瘍、痂皮、潰瘍性癌、ライ性穿孔、メジナ虫症、シラミ吸着などがしばしば原因となる。

医原性の破傷風は頻度が高い。qunineの筋注がよく行なわれている場合は、しばしば破傷風の原因として重篤度が高い(90%を越える死亡率)。不十分な消毒と注射剤の特性が、決定的な2つの要素となる。乱切法による予防接種(天然痘、黄熱、BCGワクチン)が時おり原因となる。接種部位から自然に感染することは稀で、大抵は伝統薬を塗布することが原因である。

  熱帯地方では破傷風の頻度は他の国より50-100倍高い。ワクチンの不足、不適当な傷口の手当て、ある種の伝統的習慣により、この相違が生じる。

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