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治療
サルファ剤は髄液移行性が極めてよく、安価なため、長い間第一選択剤とされた。残念なことに1968年以来、サルファ剤耐性の髄膜炎株が増えて、アフリカでは国によっては分離株の10-60%が耐性となっている。chloramphenicol(Tifomycine)は血液-脳関門を通過するため、内服または注射でよい効果を上げる。penicilline Gは静注で髄膜炎菌に非常に強く作用するが、髄液移行は良好でない。penicillineに感受性が低い株がアフリカ南部で報告されている。ampicilline(Penicline, Totapen) は静注、筋注、経口で髄液中により沢山移行する。
病院ではampicillineの静注が、大人で1日12g (2gの注射を6回)、小児で200mg/kg/dayの用量で投与されることが最も多い。この治療法は高くつくが、肺炎球菌やβ-lactamase非産生性Haemophilus influenzaeによる髄膜炎にも有効な利点がある。penicilline Gも静注で(大人で3千万単位、小児で1kg当たり100 万単位)β-lactamaseにアレルギーがある場合は、chloramphenicol(大人で1日3g、小児で100mg/kg/day)を使用する。thiamphenicol は効力が同じで毒性はより少ないが、容易に入手出来ないことが残念である。治療期間は10日である。抗生剤治療の効果を調べるために、第2病日から第10病日に腰椎穿刺するのは無駄である。抗痙攣薬(phenobarbital, diazepam) と対症的な蘇生療法はしばしば適応となる。
流行期間中は患者数が多いため、高価なampicillineの使用は限られ、静注による投与も管理し難い。長時間作用型サルファ剤は長い間広く使われている。sulfadoxine(Fanasil) を大人2g、小児0.5-1gを単回注射する。サルファ剤耐性の髄膜炎菌株が実際増えているため、この治療法にも限界があることは遺憾である。chloramphenicol(Tifomycine)は殆どの髄膜炎菌に有効で、安価なため、理論上無顆粒球症の危険があってもサルファ剤の代用薬とされている。筋注(1アンプル500mg 入りのTifomycine油性注射液)では効力が長時間持続し、集団治療に適している。大人には1日3g(単回注射)、小児には50-100mg/kg/dayを投与する。ふつう注射は8-10日間繰り返すことが推奨されているが、1回の注射または2-3日あけての2回注射でも、90%の患者は軽快する。一方、chloramphenicol油性注射液 (Solnicol)は持続効果が短く、利点がない。
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