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疫学
髄膜炎菌(Neisseria meningitidis)は、細胞内にいるGram陰性の双球菌である。37℃の好気性下で、24時間弱で増殖する。9つの血清型に分類(さらに幾つかの血清型に分けられる)され、A群はアフリカとアジア(ベトナム、ネパール、モンゴル)、ブラジルでの流行の主要な原因となり、B群は欧州に最も広く見られる。C群は米国と欧州での浸淫にもとを発し、ナイジェリア(1975年)、チャド(1976年)、エチオピア(1977年)と、アフリカにも出現している。
髄膜炎菌は普通、ヒト鼻咽頭の非病原菌である。これが唾液を介して拡散し、血行性リンパ行性、或いは篩骨の篩板を経て嗅神経網から蜘蛛膜下腔に到達する。ヒト集団中で、髄膜炎菌の健康保菌者の数は、髄膜炎発病者数を大きく上回る(保菌者1-2,000 人に対し患者1人)。

脳脊髄膜炎は世界中に見られる疾患だが、特に熱帯の中心部で小児と青年に多い。
アフリカのサヘル地方では、降水量が北部で300mm、南部で1,100mm の地域内に、年間1万例の脳脊髄膜炎が発病し、そのうち10%超が死亡する。この地域は《髄膜炎ベルト》(Lapeyssonie) と呼ばれ、紅海からスーダン、チャド、ニジェール、中央アフリカ北部、カメルーン、ナイジェリア、ベニンの大部分、ブルキナファソ、マリを経て大西洋まで広がる。モーリタニアとセネガルはあまり影響を受けない。この地域では恒常的な浸淫状態にあって、そこに流行が突発して、住民1,000 人当たり毎週1例を越える発病が起こる。毎年流行は乾期の後半(2月-5月)に突然発生する。最初はサヘルの東部と西部に流行がくまなく広がり、その後5-10年毎に再発するが、現実には流行の突発は不規則で予知出来ない。サヘル地方の流行の顕著な周期性は、幾つかの観点から説明される。乾燥による砂嵐で鼻咽頭粘膜が刺激され、感染防御機構が失なわれる。夜間の寒冷で人間は狭いテントや家屋に詰め込まれ、伝染が起こり易い状況となる。幼児集団の免疫は脆弱で、特に5-6才児は突発的な流行で死亡しやすい。アフリカの髄膜炎ベルト地帯の南方に当たるケニア、ザンビア、ルアンダでは、近年流行が発生している。
ブラジルの特にSao Pauloでは、1974年5月以来劇的な流行が始まり、毎月数百万人の患者が発生した(A群が85%、C群が15%)。このような状況のため6千万人が予防接種を受け、A群とC群の髄膜炎菌に対するワクチンの実効性が示された。
この他の国々(モロッコ、アラブ首長国連邦、インド北部、ネパール)では、近年より限局的な流行が知られているが、いずれも熱帯または亜熱帯地域で発生している。

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