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症状
肺アルペルギルス症:最も多い病変で、いろいろな症状を呈す。
アスペルギロームは主要な病変で、気管支や前からあった空洞に菌糸が形成され、発病する。菌は実質を冒さず、繊維化反応を起こす。二次性アスペルギロームは最も多く、治癒した結核の空洞に膿瘍または空洞として発病する。肺内に前から存在する病変は、一次性アスペルギロームと呼ばれるが、潜在性病変か議論がある。臨床症状は咳嗽で、病状により血痰がある。全身状態は変化ない。経過は緩徐である。X線上では鈴状の透亮像が典型的で、長軸が垂直の縁辺明瞭な楕円形で上部が三日月型に見える。病変はふつう肺尖部に認められる。これほど特徴的な像でないことが多く、三日月を欠き、前からあった病変(結核、膿瘍)のため円形のものもあって、癌、結核、単包虫と紛らわしい。
胸膜アスペルギルス症は肺アスペルギルス症と類似した病像を示す。本症はふつう、二次性膿胸、医原性気胸、外科的治療に合併したものである。気管支瘻により、気道と交通のある嚢が常に存在する。診断には胸水検査と免疫学的検査を行なう。
アスペルギルス性肺炎はA.fumigatusが病弱な者の肺実質に浸潤した結果起こる。臨床像は40℃の熱発、全身状態の悪化、重度の呼吸困難で、X線上多発性の透亮像を認める。予後は重篤であり、肺外播種が生じることがある。
アスペルギルス性気管支炎は稀で、ある種の職業(ハト飼育者、製粉業者)の者に認められる。フィラメントが気管支に鋳型状に増殖し、無気肺を引き起こすことがある。中程度の発熱と菌のフィラメントを含む粘液性の喀痰が特徴的である。
アスペルギルス性免疫アレルギー性肺は多様な病状を呈す。
アスペルギルス性喘息はA.fumigatusの胞子によるアレルギーである。アスペルギルスの皮内反応は即時型である。
アレルギー性肺気管支アスペルギルス症は激しい肺気管支の発作の繰り返しが悪化したもので、肺葉に炎症が浸潤する。経過中に慢性呼吸不全に陥ることがある。増悪時には好酸球と血清中のIgEが増加する。皮内反応は即時型と半遅延型である。
外因性のアレルギー性肺胞炎は、いろいろな微粒子を含んだ埃を吸入した結果起こる。麦芽の製造者の症例では、アレルギーの原因はAspergillus clavatusであった。皮内反応は即時型と半遅延型である。
肺外アスペルギルス症:本症極めて稀である。眼のアスペルギルス症は抗生剤の点眼薬を頻回に使った後に好発し、角膜炎を引き起こす。外耳のアスペルギルス症はA.fumigatusまたはA.nigerが病原菌で、不衛生や前病変(湿疹)、局所の抗生剤治療で引き起こされる。副鼻腔のアスペルギルス症は世界中に見られるが、特にスーダンに多い。病原菌として、A.flavus, A.fumigatusが挙げられる。爪に発病すると、アスペルギルス性爪床炎になる。
播種性アスペルギルス症の予後は恐ろしく、免疫低下状態の者(白血病)に認められる。全ての臓器が冒される。診断は剖検でつくことが多い。外科手術後のアスペルギルス性心内膜炎も同様である。
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