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診断
  全てのぜん虫症でいえることだが、血中の好酸球値が上昇し、特に幼虫が自家感染しているとき顕著となる。何週間かの間をおいて、好酸球増多は正常化し、その後新しい好酸球増多が続く。このような好酸球曲線の《うねり》は、糞線虫症が疑われる者では診断への良き方向づけとなる。
  糞便検査が唯一の確定診断となる。直接検査は、検体の便を小量取り、スライドグラス上に生理食塩水1滴とともに落として、カバーグラスを被する。 S.stercoralisのラブジチス型幼虫が見つかればよい。変化が急速で、フィラリア型幼虫が早い周期で出来る場合には、例外的に虫卵を認めることがある。培養はかなりの例で行なわれねばならないが、普段行なわれる手法(沈殿、浮遊選別、 Ritchie、MIF法)は糞線虫の幼虫を十分集積できない。便培養はペトリ皿の上に炭かろ紙を置いて行なうが、有性の間接発育で得られた検体であれば有益とはならない。
Baermann法による抽出は最も良い結果を生み出す。これは糞線虫が高温多湿を好む傾向を利用して考案された。手法は簡単である。ゴム製の接管を漏斗の先に止め具で固定し、《菅笠》状の篩を漏斗の上に置いて、これをガーゼで覆う。クルミ大の便を乗せる。暖かい水を検体が浸かるまで加える。4-24時間後に、止め具を緩めて水を抜き取り、これを遠心分離して沈さを検鏡する。検出力は極めて高いが、適当な時期があり、時間の経った検体では陰性となってしまう。
 
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