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臨床経過
症状がはっきりしないものや無症状のものが、時おり健康診断時に好酸球血症から発見されることがある。糞線虫症は小腸の吸収不良症候群、とりわけクワシオルコルを誘発したり、悪化させたりすることがある。出血、穿孔、小腸の偽性腫瘍を引き起こすこともある。(肺の膿瘍のような)異所性寄生の危険性もある。悪性糞線虫症はこの虫が極めて重度に寄生した状態となるもので、衰弱した者や免疫抑制療法中の者にしか突然生じることはない。ところが意外なことに、AIDS(後天性免疫不全症候群)の症例ではほとんど発症しない。この病態は人体内で自家感染が爆発的に起こり、血中に大量の幼虫が放出され《過剰感染、hyperinfection》、ついには全身臓器に播種される《糞線虫播種》ことによる(図1・過剰感染の胸部X線像)。このように蔓延すると、糞便は寄生虫で満ち溢れ、悪性糞線虫症になると高い死亡率が認められる(図2・自家感染による小腸の粘膜面。多量の出血を認める。図3・小腸の断面像。多数の糞線虫が寄生している)。腸管内寄生の寿命の長さをきちんと考慮すると、どんなに短期間であっても旅行者の経過を、流行地域では免疫抑制療法の開始前に寄生の有無を調べておくことが不可欠である。
図1
図2
図3
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