Sorry ,This page is written in JAPANESE. English version is not available

 症状
  糞線虫症は3期にわたる。
  侵入期:皮膚所見である。感染型幼虫が皮膚を貫くときに、鈎虫症やビルハルツ住血吸虫症と同様な孤立性掻痒や丘疹を引き起こす。これは時折出現しないことがある。
   移行期:咽頭・肺の所見である。何日か後に、咳と好酸球を多く含んだ喀痰、喘息様呼吸不全、変化する肺浸潤影、上気道のカタル性症状を認める。これらの所見は一定でない。
   定着期:消化器所見が主となる。病原性の雌虫が十二指腸の粘膜部にいる。十二指腸炎が初期像である。心か部や右季肋部に痛みがあり、ときどき下方や移ったり、強さが変わったりして変わりやすい。食事との関係や季節的な周期性はない。一過性の粘ちゅう性下痢か、下痢と便秘が交互に起こる。レントゲン上の所見は、肥厚して欝滞した粘膜襞などで、十二指腸第二部が主である。消化管所見はときには分利(クリーゼ)に発展し、初期には激しく、数日間続く。この分利は恐らく、体内の自家感染に乗じて、新しい病原性の雌虫が十二指腸に到達するのと一致するものだろう。これに先立ってか或いは同時に、皮膚所見や稀に呼吸器症状が合併する。これと時を同じくして、糞便中に幼虫が再出現したり、血中の好酸球増加を認める。皮膚所見はしばしば見られ、ごく普通の蕁麻疹や、皮下を這って蛇行状の紅斑を残す線状皮膚炎、或いは急速に悪化して《幼虫跛行症(larva currens )》を起こす(図1)。よく見られるのは肛門周囲で、ときには腰のあたりや喉に帯状に生じる。

図1

  漠然とした腹痛、一過性の皮膚掻痒の所見と、血中の好酸球症が合併して認められ、流行地域に滞在している者、または(15-20年前であっても)滞在していた者では、糞線虫によって引き起こされたと考えられる。


熱帯医医学データベースに戻る

AMDAホームページに戻る


      このページは、アムダ企画のご協力により作成されました。

            お問い合わせはmember@amda.or.jpまでお願いいたします。