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診断   熱帯地域では、鈎虫症は他の貧血の原因、即ちマラリア、鉄・葉酸・蛋白欠乏症、ヘモグロビン血症と鑑別される。これらはしばしば合併する。好酸球血症は体くう内寄生期には中程度で、本症に特異的なものではない。いずれの免疫試験も実際に利用価値はない。 検便は唯一、虫卵の存在で診断確定となる。虫卵の特長は、楕円形で透明、薄い殻に囲まれて中には少数の分節した切り株のような形の細胞がある(カラー図譜を見よ)。
予後と治療の目標を決めるにあたり、2種の虫卵の鑑別は重要になる。典型的には、 A.duodenaleの虫卵は40×60μm、4卵割球を内包し、一方N.americanusは大きさが70×40μm、8卵割球を有す(図1)。この形態学的な判断基準は十分なものではなく、大きさの違いは僅かなものであるし、卵割でも糞便を直ちに検査しないと探究力に欠ける。糞便を炭または濾紙の上で培養して幼虫を得ると、鑑別が容易になる。直接法は糞便のひとかけらを、十分な量の生理食塩水に溶解すると、虫卵は浮遊するために分別される。この集卵法は感染が少ない場合にしが利点がないが、それでも熱帯地域ではよく用いられる。実際ほとんど重要でない。

図1

寄生虫の集卵方法の一案として、 Stoll法または加藤法による虫卵計算法が推奨される。糞便1gあたり 5,000虫卵とすると、およそ 500虫体寄生していることに相当し、鈎虫が常に貧血を起こしていることになる。この数を下回ると、貧血の決定的な原因は他に求めなければならない。しかしこの数字は病気による寄生虫の概数を示す程度に留まる。実際、寄生数が増えれば、それだけ貧血は重くなり、鈎虫自体も《低栄養状態》となる。こういう虫は休眠期に入り、ますます卵を産まなくなる。駆虫薬を使わずに貧血を補正するようなことをすれば、再び産卵が始まるであろう。


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