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 肺胸膜などのアメーバ症の症状と診断


肺胸膜アメーバ症(ICD 066.4.)

肺胸膜アメーバ症は、ほとんど全てが肝からの二次的な病変で、それが大なり小なり臨床上同部に現われたものである。本症では、アメーバは隣接する横隔膜を越えて肺に到達するため、肺胸膜病変はいつも右側に出来る。稀に原発性のことがある。また、アメーバは血行性に肺に到達することもあり、この際肺病変は両側のことがある。

症状
非化膿型:漿液性または血性が内容の幾つかの空洞あるいは葉間の裂溝が存在する(図1)。その他に右肺下部(中下葉)に肺病変が出来る。
化膿型:胸膜に化膿性病変が出来るのは稀である。アメーバ肺膿瘍の方が頻度が高い。大半が右下葉である。チョコレート状の吐物または化膿性や血性の吐瀉物があり、本症が疑われることがある。この場合、急速に重感染を起こす。

図1


肝に合併病変があること、血清学的検査、 metronidazoleを用いた治療に効果があることが診断の根拠となる。喀痰から貪血球性のアメーバを検出することは稀である。

その他の寄生部位
その他の部位への寄生は稀である。アメーバ脳膿瘍は、一般に肝あるいは肺にあるアメーバ症による合併症である。脳神経外科や病理解剖時以外に見つかることは少ない。皮膚アメーバ症(図2)は、2つの状況で生じる。1つは肝膿瘍や急性腸アメーバの虫垂炎の手術時に傷口から感染する例、もう1つは急性アメーバ赤痢の肛門病変から発生したものである。これら2つの場合とも、大変な疼痛と、周辺部が隆起し、白っぽい分泌物が出た、炎症性潰瘍を伴い、そのなかに病原型アメーバを含んでいる。しばしば潰瘍性大腸炎と誤診されてステロイド剤が使用され、アメーバが爆発的に増殖することがある。

図2

ひ臓、泌尿器、骨関節のアメーバ症は珍しい。


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