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 症状


 
  トキソプラズマ症が重篤な形で現われるのは、先天性か生後間もなく感染した場合である。
 
 先天性トキソプラズマ症
  栄養体が組織・単球系で増殖し、臓器に拡散していくときが、第一期または急性期である。効果的な免疫防御機構が出現し、寄生体の増大を神経、筋、網膜組織だけに抑制しているのが第二期または亜急性期。寄生体と抗体が結合して均等化し、嚢子が形成されるのが第三期で、これは無症候性である。最初の2期はしばしば潜在性で感染がわからず、妊婦検診や周囲の者の発症がきっかけで見つかることがある。臨床所見は多様で、重症例を除きいつも予後良好である。
 
 良性型:神経節に多く見られる。リンパ腺は固く、可動性があり、無痛性で、炎症所見がない。化膿することは決してない。これらは頚部リンパ節群に好んで寄生し、その他いろいろな部位にも侵入する。縦隔への浸潤は少ない。数か月から1年間もとのまま、或いは無症状で増大しながら病変が存在する。微熱、一過性の紅斑、筋肉痛、虚脱感など微小な臨床症状が1/4の症例で認められる。また1/3の症例で、白血球増多を伴わずリンパ球増多を伴う単核球症と、好塩基性の細胞質を有す単核細胞が血中に小量(2-8%)認められる。感染性単核球症との混同が生じ得るため、血液学的に重大な支障となる。トキソプラズマ症はPaul-Bunnell反応が陰性の単核球症の最も主要な原因疾患である。青年で頚部慢性リンパ節腫大がある場合、悪性リンパ肉芽腫が憂慮される。神経節の針生検で、幼弱な組織球あるいは非定型のものが稀に認められる。このような生検で神経節の構造を解析することは、必ず行なわれるべきである。特異的血清学的検査は、 Hodgkin病がトキソプラズマ症の亜型のような結果を示すため、判定が困難である。
  これら以外に良性の所見を示すことは極稀である。この場合、内蔵所見が有ったり無かったりする本症の亜急性期に一致する。肝、血液(血小板減少性紫斑、溶血性貧血)、心筋所見、および小脳−前庭部症候群での脳炎で生じるような神経の所見は、いずれも殆ど見られない。
 
 重症型:希である。実験室で大量に感染したとか、免疫抑制剤やステロイド剤を用いた治療の結果、免疫不全状態となったとき、あるいは先天性免疫欠損症、悪性の血液疾患やリンパ腫、後天性免疫不全症候群(AIDS)に罹ったとき見られる。播種型は発熱を伴う重篤な感染症を引き起こす。全身の関節痛、皮膚びらん、肺、心筋、肝、脳に異常所見を認める。免疫不全状態の者には脳炎が頻繁に合併し、意識障害や局部所見(痙攣、半身不随、運動失調)をきたす。髄液はほとんど混濁しない(高蛋白性)。CTスキャンでは、病巣部が低密度に描出され、ときおり多発性である。造影剤を注入すると、典型的には《指輪型》の高密度域が現われ、輪郭がはっきりする。本型ではその後大半が死亡する。

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