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 臨床症状



 急性期
  暑気の少なくサシガメの活動が活発な間、小児にしばしば認められる。
 
 発病:凡そ1週間の無症候期の後に症状が現われるが、約25%の症例にははっきり認められない。もし感染した手指で目を擦り、結膜に感染すると、眼リンパ節複合所見またはRomana兆候(紫色に硬結した一側性両眼瞼腫大に、眼周囲リンパ節腫大を合併したもの、図1)を見る。皮膚への場合は、接種部位にchagome という壊死性潰瘍が出来る(図2)。
図1 図2

 
 全身期:熱発は初期から一定して続く。熱の度合いは原虫血症に直接比例するが、体温曲線は特徴的でない。平均2ヵ月続く。びまん性リンパ節症は早期に出現し、数か月続く。脾腫は小児に頻繁である。発病第2週に陰部粘膜や顔面に浮腫を見ることがあるが、病態は不明である。   その他の主要な全身所見は、消化管、呼吸器、皮膚(schizotrypanides)、神経(脳髄膜炎で時折死亡)に見られる。心臓所見(頻拍、心筋炎)があると、急性心不全につながり、10%は死亡する(図3・心筋のfibrosis、図4・心筋内のpseudocysts)。血算では血沈が亢進し、リンパ球が増多する。  
図3 図4

 予後と経過:大半の症例は自然寛解し、一部は予期出来ぬうちに慢性型へ移行する(図2−14)。長期にわたる予後は重篤で、臓器奇形の危険性が末期には感染者の10%に生じる。
 
 慢性期
  幾つかの症状が単独で、或いは合併して見られるのが特徴である。
 
 無症候期:急性期の症状が寛解した後、患者は無症状が数年間続き、見かけ上回復したようになる。血清学的検査が陽性であることが唯一の根拠となる。
 
 慢性心症:ブラジルやベネズエラでは心不全の主要原因となる。臨床上は狭心症様の前胸部痛、不整脈、伝導障害、左心又は両心不全、塞栓症(心内血栓、大小循環での血栓)を見る。心電図波形は様々に変化する。この易変性はChahas病に特徴的である。一方、胸部放射線学的には、血行動態的な特質を特定出来ない心筋症と確診される。心血管造影では時に心内血栓、心尖部動脈瘤といった奇形の疑いが明らかになる。これらの心症の経過は不良で、進行性収縮不全、不整脈、 Adam-Stokes症候群、突発性塞栓症、或いは原因不明で突然死する(図5・apical aneurysmを合併した心肥大)
図5

 
 巨大臓器症:巨大食道はブラジルでは頻繁だが、チリやアルゼンチンではずっと少なく、その他の国々では明らかでない。長期間の無症状の後、バリウム透視で指摘されたり、嚥下障害の危険をもたらすことがある(図6・巨大食道症の肉眼像、図7・同X線透視像)。巨大食道、巨大十二指腸、巨大膀胱、巨大尿道のような他の巨大臓器症は大変少ない。巨大結腸症(図8)はしばしば認められる。
図6 図7 図8

 
 慢性脳症:Chagas病に因る真性の慢性脳症は希である。これよりも多いのは、Chagas病性心症からの塞栓症である。臨床症状は多様で変化しやすい。近年、頭痛型、偽腫瘍型、末梢神経性の神経型を合併することが多いという主張がある。


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