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 予防


  睡眠病の伝播の連鎖を断ち切るためには、ツェツェ蝿、ヒト、それに付随して動物宿主に対して対応する(表2−5)。
 
  glossinesの制圧対策(第6部、第3章を見よ)
  有機性塩基性殺虫剤の出現により、残留噴霧が最も広く行なわれた。東アフリカではDDTやpyrethrynoides系殺虫剤をサバンナに広範囲に空中散布して、獣嗜好性のglossines を駆逐し、好成績を残した。西アフリカではツェツェ蝿を森林周辺部から駆除出来ない。地上で噴霧する方が望ましい。
  殺虫剤を塗布したChallier-Laveissiere式幕営罠(図2−8)は森林周辺部で大変効果があり、住民によって捕獲数が数えられる。この他の罠も推進中である。
  その他の媒介蝿対策は付随的である。 glossinesの棲息地の下草刈りや倒木は生態学的な理由から禁止される。 glossinesの棲息地から強制移住させる余地もない。放射線処理をした不妊雄の放出も実験の域を出ない。
 
 ヒト側からの予防対策
  疾病の調査は《大浸淫対策》移動調査隊によって確かめられた。調査内容は決して純粋に寄生虫学的なものでなく、実際には凝集反応を利用した免疫学的手法(trypacatt 試験)や間接的免疫蛍光抗体法、そして最後にDEAEセルロース入り短小筒へ、毛細管に採取した血液を注ぎ原虫を調べる方法が取られた。集団検診の結果病気が見つかった場合は、別の移動検診車か固定の衛生施設で治療を受けた。この方法による効率性は長期間にわたりまとめられている(Jamot, 1926-1928)。
  浸淫地帯の住民を保護することは大変難しい。ワクチンは無く、 pentamidineの予防内服(4mg/kgを半年に1回)は4−6週間を越える予防力は無い。また服用すると、感染初期のトリパノソーマ症を見落とすことがあり、治療が遅れて危険である。予防内服の見せ掛けの効率は、感染に暴露されている住民の優れた予防になるのでなく、感染血から一時的にトリパノソーマが消失し、 glossinesに伝播する別の危険も引き起こす。端的には、集団には利点のある予防内服は、個人にとっては危険である。浸淫地帯に何回か滞在する者にpentamidine を注射するのは、何ら利点がない。
 
 動物宿主の制圧対策
  東アフリアではレイヨウ類が重要な動物宿主であるが、集団屠殺は一般からの激しい非難に直面し、生態学上明らかに大変な災いをもたらす手段であろう。

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