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地理的分布(図2−3)
睡眠病は北緯15度から南緯15度の間には見られない。この広大な地域には発生源が散りぢりに分布する。
T.gambienseに因るトリパノソーマはアフリカ西部と中央部の熱帯地域に発生する。OCCGE*加盟の西アフリカ諸国では、新規発生率が一定して0.10%にある。当機構では速やかな疾病制圧のために再び活動を起こすことで調印し、1967年にはニジェールのSay の発生源、1975年には象牙海岸でいつも活発な森林地帯の発生源、及びセネガルの離散している発生源やブルキナファソとマリの小発生源を制圧した。ナイジェリアでは、千三百万人もの住民が影響を受け、特にビアフラ地方が深刻である。スーダンでは1978年に重大な発生源が見つかっている。OCEAC§加盟の中央アフリカ諸国では、カメルーン(Santchou, Mbam, Fontem, Douala)、コンゴ、ガボン、中央アフリカ共和国、赤道ギニア、チャド南部で疾病が発生している。これらOCEAC諸国の新規トリパノソーマ発生数は、1977年が1,322、1982年が1,607、1987年が1,484、であった。その他の国では、浸淫は均一に存在する。アンゴラではこの問題はザイールから逃れた難民によってもたらされたが、疾病の頻度はアンゴラへの移民でなく、彼らを取り囲むコンゴ人の集団に特に多く見られる。ザイールのコンゴ盆地、 Katanga北部、Maniema, Tungwa では、1960年以来新規のトリパノソーマは止んでいたが、1968年にコンゴ中央部での発生で、新規罹患指数が7%に跳ね上がった。状況は収束に向かうであろう。スーダン南部とウガンダ北部には3つの活発な発生源が燃え盛っている。
T.rhosesienseに因るトリパノソーマは人畜共通感染症で、エチピアやボツワナでヒトに別個に発症する。家屋周囲性のglossines (G.fuscipes)がヒト−ヒト間の伝播形式に関連することがある。1981年以来ウガンダ南部で続いている流行では、三万人を越える犠牲者を数えている。これは glossines捕獲器(第6部第3章、媒介動物との闘いの項を見よ)の使用で見事に収束に向かっている。
*Organization de Coordination et de Cooperation pour la lutte contre les Grandes Endemies in Afrique de l'Ouest; 西アフリカ大規模浸淫対策調整協力機構。事務局はBobo-Dioulasso(ブルキナファソ)にある。
§Organization de Coordination pour la lutte contre les Endemies en Afruque Centrale; 中央アフリカ大規模浸淫対策調整協力機構。事務局はYaounde (カメルーン)にある。
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