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疫学
何種類かの吸虫が病原となる。ウエステルマン肺吸虫Paragonimus westermani同義語;P.ringeri、図1), ヒロクチ肺吸虫P.heterotremus, 宮崎肺吸虫P.miyazakii, スクリヤビン肺吸虫P.skrjabiniがアジアにあり、アフリカ肺吸虫Paragonimus africanus, P.uterobilateralisがアフリカに、ケリコット肺吸虫Paragonimus kellicotti, P.rudis(?)が中南米にいる。
成虫は大きさ・形・色がコーヒー豆に似ており、沢山の動物(ネコ、イヌ、ブタ、ネズミ)の肺に寄生する。ヒトには偶発的に感染する。淡水産の貝であるHydrobilidae科(Melania, Tricula, Potadoma, Semisulcospira, Pomatiopsis) と淡水産の甲殻類(図2・カニ、小エビ、ザリガニ)で生活環が維持される。哺乳動物やヒトには、生の甲殻類の中に含まれる生きたメタセルカリア経口摂取して感染する。これらの消化管内で吸虫が放出され、小腸壁を突き破り、腹腔、横隔膜、胸腔、肺実質を経て、最終的に細気管支に至り、そこで成虫となる。細気管支は拡張し、上皮の過形成が生じる。肺に真性の寄生虫性嚢胞を作る。
ヒトの肺吸虫症の頻度は現地の甲殻類の多さばかりでなく、伝統的な行動規範に関係する。アジアでは麻疹の予防に時折ザリガニの肉汁が勧められ、中央アフリカでは不妊症の女に小エビがよいとされる。
アジアで肺吸虫症が特に多い国は日本、韓国、中国、フィリピン、ラオスで、その他のインドシナ半島諸国とインドネシアとインドではずっと稀である。アフリカではカメルーン、ナイジェリア、ザイール、象牙海岸、ガボン、リベリア、ギニアに見られる。中南米ではペルー、ベネズエラ、エクアドル、メキシコに時おり見かける
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