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疫学
ヒトの腸管では幾種かの吸虫が発育する。
肥大吸虫(Fasciolopsis buski)は大型の吸虫で、もともとブタの腸管に寄生する(図1)。このメタセルカリアは水棲植物に被嚢化する(図2)。普通ヒトにはヒシの実(Trapa natans)を噛んで皮を剥いたときに感染する。この吸虫症は中国とベトナムに分布する。
横川吸虫Metagonimus yokogawaiは(ネコ、イヌ)といった沢山の動物に寄生する小型の吸虫である。このメタセルカリアは魚(コイ、サケ)で被嚢化する。ヒトへはこれらの魚を生や酢漬けで食べると感染する。この寄生虫病は東南アジア全域、取り分け日本、韓国、インドに見られる。
有害異形吸虫 Heterophyes heterophyes(またはこの類似種)は極東地域とエジプト、チュニジア、ペルーに分布する。ヒトにはやはり生魚を食べると感染する。
アジアのGastrodiscoides hominis、黒アフリカのWatsonius watsoniといった、これら以外の種は極めて希である。
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