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予防


 集団の予防:中間宿主の貝への化学的・生物学的対策がある。有効な殺貝剤は沢山あるが(銅、錫、鉛の化合物、niclosamide, N-tritylmorpholine, yurimine )、これらは高価で、熱帯地域では唯一の蛋白源となっている魚に対し毒性がある。灌漑溝や水田の水を定期的に落としたり、貝の食物となる草を除去するといった生態学的な方法では不適当である。oxamniquine とpraziquantelは単回投与で見事な効果を示し、集団治療で使用が検討されるが、問題は高価なことと、 S.mansoniの場合、保有動物が残存してしまうことである。衛生教育では、糞尿の始末や、沐浴や水浴びで感染の危険があることを教える。
   S.japonicumに関しては、保有動物の存在や抗住血吸虫剤が十分効かないこと(praziquantelは有効性・耐忍性とも優れており、期待がもてるが)から、本症の撲滅は困難である。日本では稲作農民がゴム靴を履くようにして、個人的な手段も取られて減少した。*
 
 個人の予防:予防内服の方法はない。欧州人には熱帯地方に滞在中、汚染された海や沐浴場で水浴びしないことが勧められる。
 
 *日本での住血吸虫症撲滅対策の主体は宮入貝の焼却と殺貝剤の使用である。
 

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