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肝脾の症状: S.mansoniに因る住血吸虫症の合併症には、小腸に症状を伴わない、肝脾の虫卵性塞栓症が合併する。虫卵が静脈を閉塞し、次にそれがビルハルツィオーマの核となって、繊維化が始まる。
臨床上、肝は肥大し、固く、表面は滑らかで、時おり触知される。脾も大きさを増す。門脈圧亢進症は急速に発症する。腹部に副血行路が出来て、消化管出血を起こす。一方、黄疸、腹水、浮腫は晩期になって出現する。バリウム透視では大きな食道静脈瘤が明らかとなる。肝機能検査をしても比較的障害は認められない。腹腔鏡では各々のビルハルツィオーマに一致して、肝表面に青白い微細な肉芽が明らかとなる。肝生検をすると初期には1つひとつの病変が浮き彫りになる。数個の虫卵によって出来た住血吸虫性肉芽の中心があり、門脈系の静脈を選択的に取り囲んで、次第に閉塞する(Symmers の管状硬化)。繊維化は最終的に葉間隔壁にまで達し、肝細胞は脂肪化または壊死する。しかし再生結節は出現しないが、肝の構造は保たれる。一般の肝硬変との組織学的鑑別は容易である。肝の超音波検査では門脈縁辺の繊維化と門脈系静脈壁の肥厚、脈管連絡の減少、肝内容と表面の異常が描出される。この手法は肝生検と代わられよう。これは肝全体を広く調べることにより、住血吸虫の影響を評価することも出来よう。脾−門脈造影または腹くう動脈の選択的動脈造影は、外科的処置を検討するのに用いられる。まず門脈圧の数値と門脈−大静脈間の2箇所の異常な血行路(胃冠状、腸間膜)を証明する。肝内カテーテルではシヌソイド前の閉塞に因る門脈圧亢進症を正確に測定出来る(肝中枢側の圧は正常である)。
肝脾の住血吸虫症の予後は次の如くに定まる。食道静脈瘤破裂に因る消化管出血では如何なる場合にも死亡することがある。脾機能亢進症では貧血、白血球減少症、血小板減少症の原因となる。肝全体が機能低下して黄疸、腹水、浮腫、衰弱、脳症を呈することは、ブラジルや大量に感染した白人の子供を除いて、希である。
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