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病原性と病態生理
生きた成虫は脈管に炎症反応は引き起こさないが、比較的進行性の免疫原性だけは出現させる。死んだ虫は繊維増殖性の静脈内膜炎を発生させる。
虫卵はあちこちの病変部で住血吸虫性の肉芽形成を招く原因となる。(当初は生きていた)虫卵を中心に毛細血管の閉塞が生じ、好酸球と組織球の増多が起こり、次に上皮性細胞と巨細胞、そして最後に繊維芽細胞が出現する。同様に虫は硬化病変とさらには石灰化をもたらす(特に S.haematobium)。病変は粘膜、粘膜下、 S.haematobiumの症例では膀胱・尿管・生殖器の粘膜、その他4種の住血吸虫では腸管粘膜に生じる。これら5種の住血吸虫は肝(特に S.mansoni, S.japonicum, S.mekongi)、肺、中枢神経系、皮膚等への病変の原因となる。
免疫複合体の沈着はしばしば腎の糸球体に作用し、 S.mansoniに因る住血吸虫症では時折、肝脾に所見がある膜性増殖性糸球体腎炎からネフローゼ症候群を生じさせる。脾は鬱血して白髄は中程度の繊維化を伴い、網内系は過形成している。脾縁辺部の梗塞が頻繁に起こる。
生きた虫卵が組織内にあると、肉芽形成が必発し、文献では寄生虫種に特異的な遅延性過敏反応がTリンパ球の介在で生じるという。虫卵の可溶性抗原が分泌されることによって、虫卵周囲に沈着する特異抗体(Hoeppli の好酸球性物質)が生じる。虫卵の可溶性抗原がTリンパ球を刺激し、これがリンフォカインを分泌して、貪食球と好酸球の遊走を抑制する。この抗原は好酸球と同様に感作されて、IgE抗体産生につながる。再感染するに連れて、内因性の脱感作現象が生じ、慢性の感染では虫卵周囲には全て細胞性反応が広がる。
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