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寄生虫学
虫:雄虫は大きさが6-20mmで、種による。円筒形で前方1/3は2つの吸盤で支えられている。残りの部分は扁平で、側端は腹側に折り畳むように抱雌管で仕切られて、そこに雌虫を囲う。外皮は棘または結節で覆われる。雌虫は長さが7-20mmで円筒形の糸状虫様で、同種の雄虫よりも長く、その表面は滑らかである。
両性の前方先端には吸盤があり、食道が開口している口吸盤と、腹面にある腹吸盤があり、体を固着する臓器である。
産卵の時を除いて、雌虫は抱雌管におり、雌雄の生殖器が対面する形になり、殆ど永続的に交接可能になっている。相手を変える時には、血流に逆らう。
虫卵: S.haematobiumとS.mansoni の虫卵は楕円形で、長さが115-170 μm、大きさが40−70μm である。虫卵の殻は滑らかで厚く、透明で、電子顕微鏡では沢山の穴が認められる。中には可動性の絨毛を有するミラシジウムという幼虫がいて、後部には多数の胚細胞がある(第1部・第10章を見よ)。
S.haematobiumの虫卵は極部に特徴的な突起を有する。膀胱の粘膜下に塊状に産み出され、尿と共に排泄される。各雌虫から毎日300 程排卵される。
S.mansoniの虫卵には側面に突起がある。これは小腸の粘膜下に産み出され、糞便と一緒に排出される。1匹の雌虫は1日あたり150-200 個の卵を産む。
S.japonicumの1日の産卵数は3,000 を越える。これらは小腸壁に塊状に産み付けられる。虫卵の大きさは70×40μm 大で、側方に小突起がある。
S.mekonigiの虫卵はS.japonicum のそれよりやや小さく、かつもっと円形を呈す(60μm ×50μm )が、側方の小突起は同じである。
S.intercalatumの虫卵は大雑把にいって菱形をしており、大きさは 250μm、先端に長い突起をもっていて、他の小腸内の住血吸虫卵と区別される。直腸壁に産卵され、メチル緑のZiehl 染色でS.haematobium の虫卵が緑色なのに対し、赤色に染まる。
住血吸虫の虫卵は糞便や尿と共に淡水中に排出され、温度25−30度、太陽光が差し、pHが中性のときが好条件となる。これらからはミラシジウムが放出され、特別な中間宿主である、水棲性有肺亜目の貝に入り込む。S.mansoniではヒラマキ貝の一種であるBiomphalaria 、S,haematobiumとS.intercalatumにはBulinus 、 S.japonicumへは半陸性の有蓋貝のOncomelania が宿主となる。
Bulins属と Planorbes属:bulins属は球形の殻をもつ貝で、左巻きで蓋はない。主要な中間宿主はB.truncatus, B.globosus, B.africanusである。 Planorbes属は円盤状の貝殻で蓋はなく、平たい。大きさは多様で、最も大きいものは南米産のBiomphalaria glabrata 黒アフリカではB.pfeifferi, B.sudanica がよく挙げられる。
どれら2種の貝の棲息域はいつも水深が浅く、澱んで流れの弱い、有機物質を多含した水辺で、水棲植物から貝に養分が与えられている。水温は25−30度でなければならず、逆にpHや塩分はいろいろでよい。これらの貝は日陰になった水辺を好み、水深20−30cmの水草の茎や水底の泥に棲んでいる。Biomphalariaは乾燥に大変敏感で、常に水気を含んだ泥にしか棲まない。Bulinsの幾種かは乾燥に極めて強く、一時的な水溜りに棲むことが出来て、土埃中や動物の蹄や鳥の足に付いて、長距離を移動する。貝が年中生息する地域では、乾期になると貝の密度が上昇する。
Oncomelania 属:無水状態に大変強く、田圃の畦や溝に棲んでいる。太陽光線で乾燥すると弱る。
もう1つ、純水棲の貝であるLithoglyphopsis apertaはS.mekongiの中間宿主である。
保有動物: S.haematobiumは厳密にヒトのみに寄生し、 S.mansoniは野性のげっ歯類やヒヒ及びその他の哺乳類に自然に感染しているのが見られる。 S.japonocumは実にたくさんの野性動物や家畜の犬・猫・豚・水牛・げっ歯類・鹿に感染する。台湾では動物以外に感染しないが、フィリピンでは人畜共通感染症である。
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